日時 :2023年12月10日(日)12:55-16:55
会場 : 甲南大学 5号館 5-11教室 会場へのアクセス
(JR「摂津本山」より徒歩12分、阪急「岡本」より徒歩10分)
参加費 :無料(定員200名に達した場合には,開催日前に申し込みを終了する場合があります。)
対象 :主として高校生等や一般の方
※年齢制限はありません。奮ってご参加ください。
申込 :下記の「お申込みフォーム」からお申込みください。
参加ご希望の方は必ず事前申し込みを行ってください。
主催 :日本物理学会大阪支部
協賛 :甲南大学
後援 :日本物理教育学会近畿支部、兵庫県教育委員会、大阪府教育委員会、和歌山県教育委員会、神戸市教育委員会、大阪市教育委員会
共催 :甲南大学KONANプレミア・プロジェクト「多様な志向や進路選択に対応する融合型教育の実践プロジェクト」
お申込みフォーム

参加お申し込みをされた方へ:参加証の送付や確認のご連絡をすることはございません。当日、直接受付にお越しください。

趣旨

サイエンスに興味ある高校生や一般の方が参加できる公開シンポジウムを開催します。テーマは「物理と情報の融合:量子コンピュータって何だろう?」です。

量子力学は電子や原子などミクロな粒子を対象とする20世紀に発展した物理学ですが、粒子は波であったり、逆に光などの波が粒子であったり、またその位置などの状態が確率でしか表わせなかったりと、我々の日常的な常識とは異なった奇妙な振る舞いを記述します。一方、我々の生活の基盤ともなっているコンピュータは、1または0の2値(1ビット)を用いて演算が行われていますが、さらなる高度情報化社会では、量子論的重ね合わせを利用した量子ビット(qbit)を用いて、その限界を超える高速演算を行える量子コンピュータの実用化が期待されています。この量子コンピュータは、物理学と情報科学の融合によって今まさに生まれようとしています。当日はこのような量子コンピュータの最先端研究や関連する量子技術について、第一線の講師の皆様にわかりやすく講演していただきます。

プログラム

開会挨拶
12:55~13:00 市田 正夫(日本物理学会大阪支部長)
挨拶
13:00~13:10 中井 伊都子(甲南大学学長)
講演
13:10~14:10 量子コンピュータ:宇宙最強のコンピュータを創ろう 藤井 啓祐 先生 大阪大学 基礎工学研究科 システム創成専攻
2006年、京都大学工学部にて学位取得。東京大学光量子科学研究センター助教、京都大学大学院理学研究科特定准教授を経て、2019年より現職。大阪大学量子情報・量子生命研究センター副センター長、理化学研究所量子コンピュータ研究センターチームリーダーも務める。研究分野は、量子コンピューティング・量子誤り訂正・量子アルゴリズム・量子計算複雑性。著書に「驚異の量子コンピュータ: 宇宙最強マシンへの挑戦」(岩波書店)。 ホームページ
量子力学は、直接目では見えないレベルのミクロな世界を支配する最も基本的な物理法則です。現在私たちが利用しているコンピュータは、0や1の足し算や掛け算で計算をしていますが、この計算の原理を量子力学のルールに置き換えた新しいコンピュータ、量子コンピュータの研究が世界的に進められています。本講演では、量子力学について解説し、それを応用した量子コンピュータの研究についてご紹介します。
14:10~14:30 休憩
14:30~15:30 光子のふしぎと、光量子技術の拓く世界 竹内 繁樹 先生 京都大学 工学研究科 電子工学専攻
大阪市生まれ。1993年京都大学大学院物理学専攻修士課程修了、同年三菱電機研究員、1999年北海道大学電子科学研究所講師、2000年同助教授、2007年同教授を経て、2014年より現職。2000年京大博士(理学)。2008年から6年間大阪大学招へい教授を阪大に常駐して兼任。専門は量子光学、量子情報で、光子の不思議な性質を探求し、新しい科学・技術の芽を育んでいる。2015年大阪科学賞受賞。著書に「量子コンピュータ」(講談社ブルーバックス)ほか。 ホームページ
光は、実はエネルギーがそれ以上分割できない固まりである「光子(こうし)」から出来ています。このアインシュタインによって発見された光子は、日常感覚とは大きくことなる不思議な性質を持ちます。この講演では、特に昨年ノーベル物理学賞が授与された「光の量子もつれ」について分かりやすく解説し、量子もつれを駆使する「光量子コンピュータ」や、これまでの「物理限界」を突破する「光量子センシング」などについて分かりやすく解説します。
15:30~15:50 休憩
15:50~16:50 量子未来産業創出のための量子コンピュータ技術:ハードウェアの最新研究開発動向 川畑 史郎 先生 産業技術総合研究所 量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター 副センター長
1998年、大阪市立大学で学位取得。電子技術総合研究所にて任期付き研究員、産業技術総合研究所にて研究員を経て2023年より現職。専門は量子コンピュータ、量子アニーリング、物性理論、非線形物理。文科省光・量子飛躍フラッグシッププログラムQ-LEAPサブプログラムディレクタ、NEDO 高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発 量子関連コンピューティング技術 プロジェクトリーダー、内閣府 ムーンショット型研究開発事業 目標6「2050年までに、経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現」 アドバイザーを務める。 ホームページ
最近、量子コンピュータハードウェア技術が大きく進展しています。現在、Google、Intel、IBM、Microsoft、Alibabaといった国際的大企業やRigetti ComputingやIon Qなどのスタートアップが量子コンピュータハードウェアの開発をすすめています。しかしながら、誤り耐性汎用量子コンピュータハードウェアを実現するためには、少なくとも20~30年以上の長い時間が必要であると考えられています。本講演では、量子コンピュータハードウェアの最新研究開発動向に加えて、実用化に向けた技術課題、ビジネス展開について紹介を行います。
閉会挨拶
16:50~16:55 石原 一(日本物理学会大阪支部 幹事)

実行委員会

委員長
市田 正夫(甲南大学)
委員
箱嶋秀昭(大阪大学)、三原基嗣(大阪大学)、魚住孝幸(大阪公立大学)、石原一(大阪大学)