日時 :2025年11月16日(日)13:00-16:30
会場 : 大阪公立大学 I-siteなんば(大阪市浪速区敷津東2-1-41)
参加費 :無料(定員200名に達した場合には,開催日前に申し込みを終了する場合があります。)
対象 :主として高校生等や一般の方
※年齢制限はありません。奮ってご参加ください。
申込 :下記の「お申込みフォーム」からお申込みください。
参加ご希望の方は必ず事前申し込みを行ってください。
主催 :日本物理学会大阪支部
後援 :大阪市教育委員会、大阪府教育委員会、兵庫県教育委員会、和歌山県教育委員会

趣旨

今回、「小さな世界」に焦点を当て、細胞から地球、宇宙にわたり、今私たちが生きている世界がミクロな視点から見るとどのようなものなのかについて紐解いていくシンポジウムを企画しました。一見すると対象とするもののスケールが大きく異なりますが、実際見ているものは小さい世界です。それぞれの先端研究で研究者がどんな風にどんな研究をしているのか、どんなことが分かってきているのかを、3名の先生方からご紹介いただきます。

プログラム

開会挨拶
13:00-13:05 秋元 郁子(日本物理学会大阪支部長)
講演
13:05-14:05 細胞内の宅急便:ナノサイズの分子モーターはゆらぎを利用する! 有賀 隆行 先生 大阪大学
2003年、東京工業大学大学院にて学位取得、大阪大学・学術振興会特別研究員(SPD)、京都大学物理学・宇宙物理学専攻・博士研究員、東京大学物理工学専攻・助教、九州大学物理学府・特任准教授、山口大学医学系研究科・准教授(特命)などを経て2023年より大阪大学大学院生命機能研究科・准教授。細胞内で働く生体分子モーターの1分子観察や力学操作を通じて、生命現象の中に潜む新しい物理学を探している。
生物物理学は、すべての生命現象を物理学の視点から解き明かそうという幅広い分野です。私たちの身体は、たくさんの小さな細胞から構成されていますが、その一つ一つの細胞の中でもたくさんのナノサイズの分子機械が働いています。私は細胞内で荷物を運ぶ宅急便として働く分子モーターに着目し、彼らが細胞内で生み出されている“ゆらぎ”を利用する仕組みを物理の観点から解き明かそうという最近の取り組みについて紹介します。
14:15-15:15 ダイヤモンドで探る地球の深部 廣瀬 敬 先生 東京大学
人類の知る最も硬い物質であるダイヤモンドを使った実験装置を用いて、地球の深部に相当する高圧と高温の世界を実現し、マントル深部やコアの研究を行ってきた。2004年には地球の最下部マントルが主にポストペロブスカイトと呼ばれる結晶からなっていること、2010年にはこの装置を使って世界で初めて地球中心の高圧高温環境を作り出し、地球の内核(固体コア)の鉄の結晶構造を明らかにしてきた。最近ではコアに大量の水素が存在することを提唱している。また地球内部だけでなく、火星、巨大ガス惑星(木星・土星)、巨大氷惑星(天王星・海王星)の内部にも興味を持っている。
小さなダイヤモンドを使った室内実験で明らかになってきた、地球深部の世界を紹介する。体積にして地球の8割以上はマントルと呼ばれる岩石圏である。マントルは深くなるにつれ、岩石を構成する主要鉱物が変化していく。主要鉱物の変化によって、マントルの性質はどのように変わっていくのだろう?地球の中心にあるのは鉄を主体とする金属のコアである。不純物が多く含まれているとされるが、その正体は未だに不明である。最近の我々の研究によれば、コアには大量の水素が存在する可能性が高い。そのことは、地球形成時に海水の何十倍もの水が存在し、それが水素に姿を変えてコアに取り込まれたことにより、地球の表面には海と陸が共存する豊かな環境が生まれたことを示唆している。講演では、火星など地球以外の惑星の話題にも触れる予定である。
15:25-16:25 ヒッグス粒子で迫る、物質と宇宙の起源 中浜 優 先生 高エネルギー加速器研究機構
2009年、東京大学大学院理学系研究科にて学位取得。フランス・CNRSポスドク、スイス・CERNフェロー、名古屋大准教授を経て、2021年より現職。専門は素粒子物理学。2009年よりCERN研究所の「アトラス実験プロジェクト」に参画し、最高エネルギーを持つ加速器LHCを用いて「ヒッグス粒子の性質測定」や「暗黒物質の正体解明」に関する実験的研究に従事。著書「宇宙と物質の起源 『見えない世界』を理解する」(講談社ブルーバックス、共著)。
まず、物質の最小単位である「素粒子」を使って、「私たちの宇宙がどのように記述されているのか」を説明します。次に、2012年に発見された素粒子「ヒッグス粒子」がどのように物質に質量を与えているのかを解説します。本題として、円周27kmの「大型加速器LHC」を用いて、我々の国際共同実験グループATLASが「ヒッグス粒子をどのように発見したか」、さらに近年の進展として「ヒッグス粒子の特性を徹底的に調べることにより、どのように宇宙の誕生や進化を紐解いているのか」、研究現場の様子も含めて紹介します。
閉会挨拶
16:25~16:30 芦田 昌明(日本物理学会大阪支部 幹事)

実行委員会

委員長
秋元郁子(和歌山大学)
委員
芦田昌明(大阪大学)、安齋太陽(大阪公立大学)、榮永茉利(大阪大学)、廣瀬 穣(大阪大学)